腱鞘炎対策
弾きながら治す方法
ピアノを志すものにとって、腱鞘炎は今後の人生そのものに大きな影響を与える問題です。「ピアノを弾きたいのに弾くと痛いから長く弾けない」、「弾くと腕が重い」、このような症状が出て来たら要注意です。奏法に何らかの問題があると言ってほぼ間違いないでしょう。私自身26歳の頃、ひどい腱鞘炎を患い8ヶ月ほどまともにピアノを演奏できませんでした。その間に色々なことを試しましたが、田村安佐子先生著「ピアニストへの基礎」という本にめぐり合い、先生のご指導のもと、根本的に奏法を変えることで乗り切り、ウン十年(歳がバレる)再発していません。
具体的には、
・肩の位置、胸筋と背筋の使い方
・大きい筋肉をうまく使って腕を解放し、指や腕など末端の筋肉の負担を減らす
・体幹を育てつつ長時間弾ける姿勢を覚える
が大切なポイントです。
体の使い方を一番にチェックして、知らず知らずのうちに身につけた体の癖を紐解いていきます。
大相撲の力士は「土俵上のけがは、土俵で治す」というそうです。ピアノもまったく同じです。大事なことは、痛くならないようにピアノから離れて治すのではなく、「痛くならない弾き方を探して、ピアノを弾きながら治す」ということだと思います。弾きたいのに弾けないと焦ってしまうことがストレスになり、腱鞘炎を悪化させます。もし、演奏中の腕の痛みでお悩みの場合は、お早めにご相談ください。お役に立てれば幸いです。
<生徒さんの声>
高松朋子さん(音楽大学卒)
榊原先生のレッスンを受け始め1年半が経ち、その間たくさんのことを教えていただきました。私はレッスンを受け始める前から、ピアノを長時間練習すればするほど、腕がしびれ痛くなる腱鞘炎に悩まされていました。そんなとき、先生のレッスンでアドバイスを受けて奏法を変えた結果、この腱鞘炎がなおり、長時間練習しても大丈夫になりました。また、今まで気づかなかった楽譜の読み取り方を知り、ピアノを演奏することの難しさと楽しさを改めて感じています。最近では人をひきつけ、感動させることができる演奏を目標としています。
※2007年10月よりプラハミュージックスクールに留学、プラハでピアノ協奏曲を演奏