CD1 /Janacek弦楽四重奏曲、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

1998年フランスディアパゾンドール室内楽部門年間最優秀賞受賞、デビュー盤

 

ヤナーチェク室内楽作品集

Pražák SQ& Sachiko Kayahara-Sakakibara(pf)

 

レオシュ・ヤナーチェク:
(1)弦楽四重奏 第1番 Inspired by TOLSTOY's "Kreutzer Sonata"
(2)ヴァイオリン ソナタ
(3)弦楽四重奏 第2番『内緒の手紙』

発売元/Harmonia Mundi Praga (フランス)

 

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<フランスの音楽雑誌に掲載された批評>

このCDは発売と同時にヨーロッパの音楽雑誌で大絶賛され多くの賞を受賞、このタイプの室内楽曲としてはセンセーショナルなセールスを記録しました。

fnac(フナック)などの大手レコード店で、現在でもこのCDは「完全保存版!!」として扱われています。

当時のフランスの主要音楽雑誌3誌の批評をご紹介します。読み手にダイレクトに伝わりイメージが膨らむ、とても詩的な表現をするのがフランスのCD批評の特徴です。

 


『レペルトゥアール誌』より抜粋

Stephane Friederich ステファン・フリエデリシュ

 

ヤナーチェクのレコード目録の衝撃的な革命である。聴いて、涙を流しなさい。プラジャーク弦楽四重奏団はライバル達に打ち勝ったが、そのライバルたちといえどなかなかのものなのだ。

この「内緒の手紙」は、特に弦楽四重奏曲第1番とカップリングされるのがバランスが良い。この1番は愛欲の嫉妬のドラマを情熱的に表現する。ヴィオラのヨセフ・クルソニュの表現力に匹敵するものは、いままでのレコード目録の中には見当たらない。響きの効果は、心に迫るものではあるが、確信の力や構成の明確さのほうが前面に出るため、こちらはむしろ背後に退いている。リズムの正確さはまさにビザンツ文明である。

 ヴァーツラフ・レメシュは日本人ピアニスト・萱原祐子と共に、オペラ「カーチャ・カバノヴァ」(ヤナーチェク作曲)の室内楽的変身である「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」を演奏している。ヴァイオリンもピアノもBalladaの叙情性において、スコアを表現過多にせず、ブラームス的な逸脱でそれを損なうようなこともしていない。ヤナーチェクはこの作品を何度も手直ししたが、アクセントの激しさは、作曲者がストラビンスキーによる西方からの影響ですでに消化していたように思わせる。一級の価値を持つものとして、スークとパネンカの名盤に匹敵するものである。

 

 


『ル・モンド・ラ・ミュジック』誌より抜粋

Patrick Szersnovicz パトリック・セルズノヴィッチ

 

プラジャーク弦楽四重奏団の演奏には閃光のような美しさがある。この演奏には類い稀な技術的・造形的な完成度(抑揚、アクセントの瞬発性、リズムの正確さ、和声の色彩の効果、など)により、今までのヤナーチェク弦楽四重奏団やヴラフ弦楽四重奏団などの伝説的な録音や、最近のターリッヒ、リンゼイ、シュターミッツ、ベルクといった弦楽四重奏団による録音が占めてきたレコード目録の頂点に一気に躍り出ることになったのである。柔らかく、かつ残酷なほどの明晰さを発しながら、抑揚しつつも心理的な的確さを失うことなく、プラジャーク弦楽四重奏団の音楽家たちは、爆発的な熱狂に身を沈め、しなやかに最大限に作品の解読を進め、耐えうる限界まで緊張を高めるが、この世のものならぬ色調のパレットは保たれたままであり、すばらしいハーフトーンがそこに彫り込まれている。(弦楽四重奏曲第1番)

 第1ヴァイオリンのヴァーツラフ・レメシュは萱原祐子による見事なピアノと共に、『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』においても、信じられないほどの冒険を行った。ここにおいてこのソナタは最も正統的な演奏を与えられることになったが、その結果はユニークなものであり、そこには強い情感が息づいている。


『ディアパゾン誌』(フランスの音楽雑誌)より抜粋

Michel De Jongh ミッシェル・ドゥ・ジョン

 

  プラジャーク弦楽四重奏団は、ここにおいて、人を仰天させるようなディスクに名を残した。すべてが豪奢で波乱に富み、官能的である。恐るべき複雑さをもつこれらの作品において、四人のチェコ人たちは自明であること、すなわち彼らにとっても荒々しい真実というものを表現しているのである。

 「クロイツェルソナタ」は最初の一音から最後の一音に至るまで、息を詰まらせるような劇的な緊張感を持って歌われている。震えを起こさせるsul ponticelloの諸パッセージの演奏や、並外れてダイナミックなambitusや熱病に浮かされたような弦の音の崇高なスラブ的叙情が、聴くものの力を抜き、幸福に浸らせる。

 「内緒の手紙」には魂を捉える美しさがあり、メロディーに身をゆだねるようなすばらしい安らぎをもたらす。より暖かい色彩に、叙情的な濃密さが表れている。プラジャークはそれぞれのフレーズの線を、信じがたい表現性をもって歌っている。彼らのリズムは、非の打ち所がなく、超動的なときもあれば甘く切ないときもあり、ルバートと思えばほとんど軍体調であったりするが、このリズムがこの音楽の全体を明らかに分裂的に見せるのに効果を発揮している。

 両曲の幕間の曲であるかのように、ヴァーツラフ・レメシュと萱原祐子は素晴らしいソナタを演奏している。そこで聴かれるヴァイオリンは大変美しく、ヴィヴラートは正確でたっぷりとしており、グリッサンドは痛ましく、ハーモニクスは完璧にコントロールされている。そこで弾かれるピアノは豊潤で生き生きとしており、大変ニュアンスが豊かである。

魅惑的なディスクである。