新発売のCD『モティヴィ』に収録されているコントラバスソロのための作品

 

萩京子 作曲『DANCE OF ACCORDANCE and DISCORDANCE』

 

について大変ありがたいことに、萩先生ご本人による作品の解説を頂きました。CDのブックレットに以下の文章が掲載されています。

 

DANCE OF ACCORDANCE and DISCORDANCE

~コントラバスソロのための~

 

萩京子

 

2001年10月1日、東京オペラシティ・リサイタルホールでの「緋国民楽派第10回作品演奏会」において、溝入敬三氏の演奏により初演された。

 

タイトルは「調和と不調和」、あるいは「一致と不一致」と言った意味だが、実はアコーディオンとコントラバスの二重奏曲を作曲しようと思って考えついたタイトルだった。

アコーディオンの語頭である「accor…」と「dance」が合体している「accordance」(調和)という言葉に刺激を受けたことが発想の出発点だった。

 

アコーディオンとコントラバスの二重奏は、5年後の「DANCE OF ACCORDANCE and DISCORDANCE Ⅱ」で実現させることができたが、この第一作は、コントラバスという大型の楽器と格闘し戯れるコントラバス奏者へのオマージュ的な作品となった。

 

3つの楽章にわかれている。ⅠとⅢはよく似た音型で始まるが、Ⅲの後半はまったく別な景色のなかへ入って行き、曲は終わる。

 

どの曲もふたつの音楽的な要素(例えば低音と高音、飛ぶ音と繋がる音、整うリズムと崩れるリズム)などを提示しているものの、有機的に発展していくことはない。楽器と対話し、苦心し、楽しみ、踊り、考え込み、どこかへ行き、立ち止まり、消えて行く。

 

今回、榊原利修さんがソロ・チューニングで録音されると聞き、どのように聞こえるかとても楽しみだった。5月にリハーサルを聞かせていただき、曲がより明るくなり若返ったような印象をもった。

 

常に音楽の低音部を支えるコントラバスという楽器が、ソロ演奏で自由に羽ばたく機会が今後より一層増えて行くことを願っている。榊原さんのこのCDは、その一翼を担うにちがいない。